
日間賀島は毎年、盆には盆踊りをやっていました。その時、かけ踊りというのがあって、青年が太鼓をたたいて、盆踊りの歌を歌うのですが、その歌詞が独特で面白いので紹介させていただきます。
ちなみに2023年からは、青年の人数減少と、各種団体が少なくなってきたため、盆踊りは取りやめとなってしまいました。
日間賀島「かけ踊り」歌詞全文。昔からずっと伝わってきた歌。伝えていきたいです。
かけ踊り歌詞(西)
アラ 若い衆は合点か!
アラ 合点がじょうなら
→ここに一つの話がござる
←佐久は照る照る篠島曇る
・あいの日間賀はえー金が降るよ
アラ マカセがじょうなら
→障子開ければ三島が見える
←佐久や日間賀やあの篠島よ
・野島後にてえー伊勢参宮よ
アラ マカセがじょうなら もう一ついくぞ
→西行法師が
←はじめて東へお下りなされて
→宮の熱田の熱田の宮の
←西の御門で昼寝をなされて
→これほど涼しきこの宮さまよ
←誰が名づけた熱田の宮の
→そこへ神主さんがチョッコラチョイとござれて
←これこれ坊さん西行さんよ
→西という字は西とも読むし
←行という字は行くとも読むぞ
→西へ行くべし西行さまよ
・東下りはえーなんのことよ
→日間賀娘は大根娘 ・色が白くてえーみずくさいよ →色が黒くてもらい手がなけりゃ ・山のカラスはえー皆後家ばかりよ →沖の暗いのに白帆が見える ・あれは紀の国えーみかん船よ →松にウグイス梅にはスズメ ・これは木違いえー鳥違いよ →ボツボツ ボツボツ ボツボツ ボツボツ ←ボツボツ ボツボツ ボツボツ ボツボツ ・ボツボツあるのはえー タコのイボよ →一条河原で 二条も河原 ←三条河原で 四条も河原 牛若丸が千人切りをなされたは五条の橋で ・笠を取られたえーからかしゃせみよ
→好いて好かれて 好かれて好いて ・好いて吸い付く えータコのイボ →惚れた男は数々あれど ・広げて立つのは えーあなただけよ →男やごべー かぼちゃのつるよ ・となり周りをえーはえまわすよ →入れておくれよかゆくてならぬ ・私一人が えー蚊帳の外よ →閉めておくれよ また行きそうな ・猫が戸棚の えーサカナをとるよ シッカとはやせ! アラ マカセがじょうなら も一つくどく →天の七夕おいとしゃござる ・川をへだてて えー恋をめすよ アラ マカセがじょうなら →はげた頭にハエが三匹とまって ←真ん中こばいめは こしゃくなやつで せったはいて とまって 滑って 転んで 腰骨折って ・二度と止まらぬ えーはげ頭よ
→伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ
・尾張 名古屋は えー城で持つよ
→向こう通るは清十郎じゃないか
→笠がよく似た 行く似た笠が
・丸に十の字は えー皆清十郎よ
アラ マカセがじょうなら →ことしゃ豊年とし 穂に穂が咲いて →早稲で七石 おくてで五石 あわせて十二石 →桝もいらぬが とかけもいらぬ ←枡やとかけは 戸棚に入れて ・俵たておき えー実でーはかるよ →姉もさしたり 妹もさせよ ・同じ蛇の目の えーからかしゃせみよ →破れふんどしゃ お寺のかんずめよ ・あいまにゃ ぼんさんが えー顔をだすよ
→一つ ヒヨドリには 青菜が頼り
←二つ 船乗りには 追い風たより
→三つ ミミズクには グミの木がたより
←四つ ヨタカには 昼寝がたより
→五つ 医者には 患者がたより
←六つ 娘さんには 若い衆がたより
→七つ 泣く子には 親のチチたより
←八つ ヤマブシには ほら貝たより
→九つ こじきには おわんがたより
・十ー 殿様えー 関所がたより

いかがでしたか。少し長いですが、時々艶っぽいところがあったり、面白いと思いませんか。わたしは、禿げた頭にハエが三匹止まって、真ん中のコバエがこしゃくなはえで、せったはいて、とまって、滑って転んでというところが好きです。
また日間賀島は、西区と東区にわかれていますが、かけ踊りの歌詞も東区は違います。東区バージョンの歌詞はこれ。
かけ踊り歌詞(東)
天のたなばた おいとしゃござる
川をへだてて ナンカラサキの
(ハァエンエン サイサイ)
ハリがさいたか
まことになぁ こいをめすよ
(川をへだてて こいをめすよ
ハリウリヤァハヤァ
コノコノハ ハヨイヤサ)
〈ハヤシ)ヨイヤサがジョーなら
もう一つやろか
佐久の弁天さんは 切り石だたみ
ねからはえたか ナンカラサキの
(ハァエンエン サイサイ)
ハリがさいた
まことなぁ うき島よ
(ねからはえたか うき島か
ハリウリヤァ ハヤァ
コノコノ ハ ハヨイヤサ)
〈ハヤシ)ヨイヤサがジョーなら
くどいてみましょ
いわしこいこい くさばの島へ
来れば日間賀の ナンカラサキの
(ハァ エンエン サイサイ)
ハリがさいた
まことになぁ 金となるよ
(くれば日間賀の 金となる
ハ リウリヤァ ハヤァ
コノコノ ハ ハヨイヤセ)
若い人がだんだんいなくなり、盆踊りもなくなって、このかけ踊りの歌詞も忘れ去られていくのかもしれません。なんとなくさみしい気もします。忘れ去られないように、伝えていきたいですよね。
また、たーこブログをのぞきに来てください。なんとなく懐かしくて暖かい話を載せていきます
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